ばんびえんでは、「いらっしゃいませ」って言いません。
理由は、ばんびえんというお店のコンセプトに合わないから。
2013年の創業からずっと変わらないコンセプト、「シーシャのある休憩所」。
忙しい現代社会に、特に東京に、のんびりほのぼの、心休まる場所を作りたい。
今日はそんなばんびえんのコンセプト、仰々しく言うとばんびえんの原点のお話です。
この10年、全然順風満帆じゃなかったばんびえん。だからこそ、初心を忘れたら終わりだなって思います。
今じゃ想像もできないような、結構悲惨なエピソードも出てくるので、冷やかしがてら読んでみてください。
忙しい東京に「シーシャのある休憩所」
ばんびえんはラオスの村の名前です。
オーナーのりょーさんがバックパッカーやってたときに訪れた場所。
何にもやることがなくて、大自然しかないほのぼのした所です。
時間がゆっくり流れるところでした!
そんな心休まる場所を、忙しい現代社会に作りたい。
ばんびえんの中でだけは、いろんなストレスから解放されてのんびりしてってもらいたい。
そんな想いで営業しています。
でも、シーシャを囲んで集まった人たちのことは大好きです。シーシャを通じて、東京のことも少し好きになれたんです。
ばんびえんも、特に何があるわけではないけど、シーシャはあります。
あとはボードゲームとか漫画とか、生きる上で必要じゃないけど、のんびりするためのものがいろいろあります。
人生には、不必要なものが必要。そんな瞬間もあるんじゃないかなーって思います。
コンセプトを実現する3つのポイント
①お客さんがのんびりほのぼのできる接客を
コンセプトを掲げてる以上、それにふさわしいお店を作っていきたいなって思います。
些細なことかもしれないけど、お出迎えするときは「いらっしゃいませ」よりも「こんにちは」「こんばんは」って言いたいです。
お見送りのときは、心からの「ありがとうございます」と一緒に、遅い時間なら「おやすみなさい」って言いたいです。
僕らが目指すのは高級レストランみたいなカチッとした接客よりか、ほっこり安心できるような、田舎の民宿みたいな接客に近いと思います。
お店に行くって感覚よりも、疲れたときに帰って来れるような、そんな場所でありたいと思っています。
②肩肘張らずに時間を忘れて過ごしてほしい
ばんびえんでは、お席はたっぷり3時間使えます。
終電を逃しちゃうと大変だから一応控えめに時計も置いてるけど、時間を気にせずゆったりのんびり過ごして欲しいです。
ややこしいルールもできるだけ無しにしたくて、お酒以外なら食べ物・飲み物もなんでも持ち込みOKです。
フリードリンクも付いてるので、元取る気持ちでガンガン飲んじゃってください。
お席で寝るのもOK。
シーシャ吸ってるとリラックスするから眠くなっちゃうんですよね。
超高級家具とかはあんまないけど、それなりに座り心地のいい席になってると思うんで、クッションに埋もれてゆっくりしてください。
あ、ホース引っ張らないようにだけ、気をつけてくださいね。
③ストレスフリーなおいしーしゃ
凝ったドリンクとかはあんまりないけど、その分早い提供とこまめな炭替えで、ストレスフリーなおいしーしゃを出せるように頑張ります。
煙が強かったり弱かったりしたら、炭替えのタイミングじゃなくても気軽に教えてください。いつでも調整しにいきます。
ボウルも実は2種類から選べます。
軽くて安定した煙が出せるチルインボウルと、濃厚で昔ながらの煙が出せるストレートボウル。
チルインボウルは誰でも安心して吸える煙がテーマなので、特にご指定がなければチルインボウルで提供しますが、昔ながらのシーシャが好きな方は気軽に声かけてくださいね。
10周年の節目、初心を忘れず頑張ります
全然順風満帆じゃなかった10年間
おかげさまで2013年の創業から、ばんびえんは10周年を迎えることができました。
所持金40,000円でスタートしたばんびえん高田馬場本店。記念すべき営業初日の売上は38,500円。舞い上がってたら次の日の売上、10,500円…。
お金が無さすぎてソファもパイプも足りてない。
節約するために家は借りずにお店に住んで、売上が良かった日は銭湯に行き、売上が悪かった日はキッチンのシンクで頭を洗う日々。
少しずつ軌道に乗っていったのも束の間。今度はお客さんへの感謝が無意識のうちに薄れていって、接客も適当になり、客足がみるみる遠のきました。
お客さんが来てくれるのは当たり前じゃない。そんな当たり前のことに気づくのに随分時間がかかりました。
必死で馬場本店を立て直し、2018年に中野店をオープン。自信満々で開業した中野店ですが、蓋を開けてみれば毎日閑古鳥が鳴いているガラガラ具合。
そして2020年、これまでの反省を全て活かし、万全の体制でオープンした馬場2号店。
そこでやってきたのが、コロナです。
今までも辛いことたくさんあったけど、2号店の時は本当に倒産が目の前に迫ってましたね…
初心を忘れたら、終わり
振り返ってみると、結構悲惨なことも多かったばんびえん。
この10年で店舗が増えたり、器材が変わったり、スタッフが増えたり。いろんな変化があったけど、僕らが目指す場所は変わらず「シーシャがある休憩所」です。
その初心を忘れたら、お客さんへの感謝の気持ちを忘れたら、また簡単にお客さんは離れていくだろうなって思います。
ばんびえんのスタッフもみんな、のんびりした時間を大切にしながら生きていきたいって思ってます。
シーシャしか仕事にできなかった人、前職で死にかけた人。ここに辿り着いた経緯はそれぞれだけど、想いは共有してるはず。
だからこそお客さんをお出迎えするときは、ストレスフリーにのんびり過ごせる空間を、全員全力で作ります。
人生にはくだらないものが多すぎる。ゆっくりしてってもらえたら。
この記事を書いた人
つー@ばんびえん / Daiki Tsukamoto
ばんびえんスタッフ。
知って楽しい、真似して便利な #シーシャ雑学 や、エッセイ #思煙 をTwitter等で発信中。
Twitter:@daiki_vangvieng